斬新なアプローチで「コンクール課題曲」に新たな光を当てている『時任VSオオサカン』が、
昨年に引き続き吹奏楽界・コンクール界に殴り込む！（鈴木 英史）

　熱演！吹コン課題曲2012に寄せて

　毎度ながら、ルーティーンな解釈が一瞬もない時任氏の解釈。「音楽はライヴ」と言い切る氏だが「本番任せ」ではない。全ての音・フレーズに確固たるアナリーゼがなされた異常に綿密なリハーサルの上に成り立っているのだ！
　「技術」と「音楽表現」の一体、という言葉がこれほど実感でき、ここまで新鮮に聴こえる演奏（特に課題曲に於いて）は皆無だろう。それに応える「オオサカン」の柔軟な演奏も見事の一言だ。
　また見逃せないのは、この録音が課題曲楽譜発売の直後に行われている事。その意味でも大変にオリジナルな表現なのだ。ということは今後もこのペアの演奏は変化する余地が多いにあるということ！
　課題曲も進化する。我々の今年度の歩みを、傍らで先導してくれる時任／オオサカンの歩みは聴き逃せない。
―鈴木英史